錆取り電解の特徴
初期の貰い錆は赤錆(Fe2O3)と呼ばれ、電解法で容易に除去できます。しかし、錆が進行すると、一般的な電解法では殆ど除去できません。特に、塩素イオンが介在して発生した錆は強硬なFe酸化物を形成するため、特殊な錆取り電解技術が必要です。
また、錆はプロセス成分や使用環境の異物を取り込んだ複雑なものが多く、依頼品にあった電解液や電解条件を調整して対応しております。
また、更に錆が進行している場合は錆取り電解法でも難しくバフ研磨等の機械的研磨の併用施工となります。
錆はステンレス材表面を侵食するので、錆除去後の不働態化被膜処理が必要です。処理にあたっては専門知識を有する弊社にご用命ください。
施工前

塩化有機化合物取扱い設備の溶接部および熱影響を受けた部分に黒錆が成長しています。

施工後

サイザル研磨と錆取り電解で錆を除去後、手動式隔膜電解研磨法(NEP)で不働態化被膜処理を施工しました。
施工前

鉄鋼材の錆がSUS304転移しています。

施工後

錆取り電解で錆を除去して、手動式隔膜電解研磨法(NEP法)で不働態化被膜処理を施工しました。

ペースト脱脂法の特徴
ペースト脱脂法は電解脱脂法、電解洗浄法で除去出来ない強固な汚れを除去する場合に使用します。弊社で開発した特殊ペース剤は施工後の洗浄性が極めて優れており、ホワイトグローブ試験に合格できるレベルとなります。
使用方法としては;
- 手動式隔膜電解研磨法の前処理として施工
- 汚れが酷く、頑固な汚れの場合、粗洗浄としてペースト脱脂を行い、電解脱脂法または電解洗浄法で精洗浄を行います。
このペースト剤は環境に優しく、取扱いにおいても安全で安心して施工できます。

ペースト脱脂施工状況

ペースト脱脂施工後

ステンレス材の電解研磨と薬剤処理の湿式表面処理施工は環境の整ったセミクリーン工場で行っております。
セミクリーン工場には天井クレーン2基(定格2.8t)と門型クレーン1基(定格2.8t)を具備しており、大型設備の施工に対応しております。
セミクリーン工場では施工製品の品質検査や梱包作業も行っております。

セミクリーン工場

セミクリーン工場 門型クレーン

不働態化被膜処理とは

手動式隔膜電解研磨法(NEP法)

手動式隔膜電解研磨法(光沢化処理)

電解洗浄法

電解脱脂法(バフ粕除去)

焼け取り電解法

錆取り電解法

ペースト脱脂法

セミクリーン工場
